連載コラム第4回 企業分析について②

前回連載コラムの続きです。

 

 前回企業研究がなぜ必要で、企業の情報を得るにはどんなものを使ってやっていくのか、そのような話の途中でおわっていましたね。なので今日はその続きです。

 

 どうやって就活を進めていくかの話で以下の手法があることをお伝えしたのを覚えていますか?

・会社HP

・就活サイト、就活掲示板(SNS含む)

・本や雑誌

・インターンシップ

・企業が自社で主催をする会社説明会

・某就活サイトが運営するような合同説明会

・OB/OG訪問

・学内の就職支援センター(※学校により呼び名は様々です。)

 

 そして上から2つの会社HP、就活サイトについては紹介させていただきました。ので今回はその続きをお伝えします。

 

 

2.-③ 本や雑誌


 就職活動の時期になると就活に関連する本が書店にズラッと並ぶ光景を見たことがあるのではないでしょうか?通年で置いてはあるものたちもありますが、やはり時期が始まるとニーズも高まり書店の目立つところに置かれていることかと思います。

 

 さて、実は前回話した「会社HP」や「就活サイト」を使った情報収集からこの「本や雑誌」を使った情報収集には大きな違いがあります。皆さん何かお気づきでしょうか、、、?

 

 

 

 

 

 

 はい、簡単ですね。インターネットを使って集められる情報が前回紹介の2つ、そして今回のは「本」という形ある媒体を入手して情報を集めることです。もっと言うと、情報を集めるのにお金がかかるか否か、という違いがあります。

 

 会社HPを閲覧しただけで閲覧料を請求されることはまず無いでしょう。少なくとも筆者はそのような企業HPにはまだ出会ったことがありません。また本屋さんで「この商品は無料です、どうぞ自由に持って行ってください」とされた就活関連本は恐らくほぼないでしょう。こちらも筆者、一般の本屋さんの中では見かけておりません。

 

 なので本や雑誌のデメリット、というとまずはこの費用が掛かるというのがあげられます。

 しかし一方メリットとして、信頼性の高い情報が手に入るというのがあります。

 

 インターネット上での情報収集でありがちなのが、間違った情報を手に入れるということがまま起こります。情報発信者が意図的に嘘をついているのか、端に誤解した情報を発信してしまっているのか、それは何とも言えませんがこの際、悪意の有無は関係ありません。自由に発信が出来る場ではあるのでそれは致し方ないところではありますが、その危険がインターネットほどないのが本です。

 

 本を売るためには、作者が原稿を書き→出版社が編集し→書店で売る、という流れがあります。(かなり簡略化しています。)もし、本の中に事実とは全然違う内容が記載されていた場合、どうなりますか?まず間違った情報を書かれた人や団体が作者なり出版社なりを訴えますよね。

 

 「あの本の内容、書いてあること全然違うんだけど。早く取り消してください」みたいな。

 

 場合によっては損害賠償なんて話が出てくるかもしれませんし、そうした誤った情報を世に発信してしまった作者、出版社、書店の信頼は崩れてしまいます。なので本や雑誌は「ホントにこの内容で大丈夫だよね?」という確認をしながら出来上がるようになっています。

本や雑誌にある大きなメリットはこの信用性といえるでしょう。それをお金を払って買うかどうかです。

 

 あの本がいい、この本がいい、を紹介することはこの記事ではしませんが、インターネットを使った情報収集とうまく使い分けをしながら進めてもらうのが一番良いかなと感じます。

 

 

2.-④ インターンシップ


 インターンシップときくと「職場体験」みたいなように聞こえることの方がまだ多いでしょうか?実際この言葉の使われ方は間違いではないと思いますが、現実としては各企業の開催内容はまちまちです。1~2週間程度来てもらい実際の仕事の業務を行ってもらうこともあれば、体験という形で模擬的な業務をやってみるものもあれば、自己分析のような企業説明会のような職場体験?と首をかしげてしまうようなものあれば、、、まちまちです。

 

 内容の是非は今回置いておきますが、インターンシップの最大の特徴はその企業の社内の空気を体感できる点にあります。この「社内の空気」というのは皆さんが思っている以上に大切です!

 

 転職する社員の離職理由の大多数を占めるのが「人間関係や職場の雰囲気に合わなかったから」という理由です。しかしそれらは説明会や就活本、HPでは垣間見ることが非常に見ることが難しいです。なぜなら、企業は就活生にとって良い情報ばかりを紹介しているケースがほとんどだからです。

 皆さんをだまそうとしているわけではありません。その情報も決して嘘ではないでしょう。ただ良い情報が多く、悪い情報は割と少なめです。それは当然ですよね、より多くの就活生に振り向いてもらいたいからこその結果だと思います。なので、そこを責めてもきりがないので「そういうものなんだ」と割り切りましょう。

 だからこそ、企業の内部を少しでも垣間見れるインターンシップは有意義と言えます。会社にはその会社独特の雰囲気、空気感があります。ピリピリしてる職場、和気あいあいとしている職場、音がほぼ聞こえない静かな職場、、、色々あります。どの職場が良い悪いではありません。皆さんがどのような職場を好むか、適しているか、が重要です。どんなにやりたい仕事であっても、仕事は一人では出来ません。必ず、社内の仲間、はたまた協力会社の力を借りて仕事を進めていくことがほとんどです。その時、自分にとって居心地の悪い会社にいたらどうなると思いますか?あまり他の人に仕事を触れず、自分で一人抱え込むことになり、ミスを犯し、怒られ、、、なんてドツボにはまるは可能性があります。

 なので、インターンシップで大事なことは、そこで行われるプログラムももちろん大切ですが、企業の雰囲気を肌で感じることです。これをぜひ意識て臨まれるとよいと思います。

 デメリットを上げると、他のものに比べると時間と労力がかかります。特に時間に関しては、ある一定期間拘束されるものもあるので、そこはご自身のスケジュールを考慮しながら参加してみましょう。

 

 

2.-⑤ 企業が自社で開催する説明会


 これも非常に多く開催されているものですね。特にこの手の説明会に関しては、エントリーをした学生を対象としたものが多いです。また、この説明会に関しては事前予約制がほとんどです。予め説明会の開催スケジュールが提示され、〇日前から予約開始となるところが多いですね。

 そしてこの説明会、人気企業になればなるほど予約の争奪戦が起こります。特にこれが「先輩社員と話せる」や「面接の練習をしましょう」といった、企業説明以外の要素が加わると尚更人気ある印象があります。

 

 さて、この自社で開催する企業説明会のメリットとしては、合同説明会といったイベントなどよりも詳しい企業情報を知ることができること、社員の生の声を聞くことができること、などがあげられます。但しこの二つに関してはインターンシップとほぼ同様なメリットであり、より奥深く企業内部に入れるという意味ではインターンシップの方が良いですね。

 しかし説明会のメリットは他にあります。何かというと、同じ企業・業界を志望する他の就活生との出会いがある、ということです。

 別にここから恋愛的発展へ、というわけではありません。自分と似たような志望を持つ就活生と情報交換が出来る場でもあります。例えば「A社も見ているけど、あそこの企業はね・・・」「B社の説明会行ったけどすごい魅力的で・・・」と同じような業界を志望している人から、自分が今まで出会ったことのない企業の話を聞けるチャンスがあります。そうした話をお互いにすることで、業界に対する知識が増えること、今まで興味を対して抱いていなかった企業や業界を知るきっかけになること、など、仲間との出会いは良いことがたくさんあります。

 飲み会仲間を募るような輩も中にはいますが、総じてまじめな方が多い印象です。説明会に行って、たまたま隣に座った人と話してみるのも良いと思います。

 

 説明会としてのデメリットは、時間が拘束されます。また開催地が各企業の本社、支店であることが多いため、交通費が余分にかかる場合がたまにあります。

 けれどもインターンシップよりも気軽に、会社の内部を覗けるチャンスではあるので、ぜひうまく活用をしてもらいたいですね。

 

 

2.-⑥ 某就活サイトが運営するような合同説明会


 多くの就活生がこれに参加することでしょう。大きな展示会場などで行われるいわゆる合同説明会というやつです。リ〇ナビやマ〇ナビなどが主催している大型イベントから、業界や文理系統にあわせた特化型の合同説明会まで多種多様にあります。

 合同説明会のメリットとしては、一度の多くの企業の情報を直接聞くことができる今まで興味を持っていなかった企業と出会う可能性がある、ということです。

 

 ある特定スペースに企業たちがひしめき合ってブースを構えていることが多くのスタイルです。説明する時間もある程度決められており、一日に何サイクルも説明会を行い、就活生との接点を一人でも多く持とう、というのが企業側の狙いです。

 就活生側のメリットとしては上述した内容ですが、それなりのデメリットがいくつかあります。一つ目は、企業の説明時間が短いためその一度の説明で理解することは難しいということ、もう一つは多くの企業の話を聞くうちに結局自分が何をしようか悩んでしまうということがあげられます。

 採用担当者は説明がとても上手です。話を聞いているうちにどの会社もとても良いように聞こえてきてしまい、結局自分が何をやりたくてどの業界を志望しているのか分からなくなってしまうことがあります。

 どの企業のブースにいっても「この会社はあり得ない」という考えを抱くことはないでしょう。自己分析で見つけた志を曲げないように、悩んだ際には立ち止まって考えなおすのも必要ですね。

 

 

2.-⑦ OB/OG訪問


 私がつらつらと話してきた中で、もし企業研究で一番良いのはどれか、と聞かれた際にはこのOB/OG訪問と答えます。なぜか、このOB/OG訪問が一番企業のことを如実に知ることが出来るものだと感じるからです。

 OB/OG訪問は出来る企業と出来ない企業があります。そもそも受付していない企業もあるのでそこは要確認なのですが、基本的にはOKをだす会社の方が多いでしょう。

 OB/OG訪問をすることで、まず企業内部の採用担当以外の方と面識を持つことができます。採用担当以外の一般の営業職や事務職の方と話聞くことで、具体的な仕事内容や、実際にあった話をよりリアルに聞くことが出来るのが他にはない強みです。

 また、より現場に近くなれば担当者レベルの会社の空気や雰囲気を感じることができます。その方に近しい方が多くいる会社と感じればよいのです。企業側もOB/OG訪問を申し込まれればそれなりに社員を選んで対応させるのがほとんどです。対応にくるのは活躍している方、つまりエース級の方がくることの方が多いです。極論、その人と一緒に仕事をしたいと思うか、という見方も出来るわけです。

 なのでこのOB/OG訪問はぜひ、有効にかつ積極的に活用してもらいたいと思います。

 

 但し、デメリットもそれなりにあります。そもそも受付していない企業も少なからずあるということ、学生側も担当者に見られているということがあります。受付していない企業に申し込みをするのはそもそもお門違いです。それはビジネスマナーに反しますので、そうした行為はやめましょう。またビジネスマナーという点においては、面談中にも担当者から見られているポイントではあります。もちろん、選考とは関係ない、というのが多くの企業の建前かと思いますが、企業もまた学生からの情報を集めていることでしょう。

 つまり、他の説明会などの情報収集手段に比べて格段にコミュニケーション、ビジネスマナーを気にする必要があります。人と話すの苦手だ、という方もいるでしょう。しかし仕事をする上で、人と話をせずに完了される仕事はほとんどありません。高い壁かもしれませんが、そこは勇気をもって超えてもらいたいところです。

 更にもう一つ、OB/OG訪問にて出会った担当者があまり良くない(自分に合わない)可能性があるということです。

 人と人との相性なのでこればかりはどうしようもないのですが、この可能性が少なからずあります。なので欲張ってもらえるならOB/OG訪問は1社に対して2~3人行ってもらうと社員の姿が見えてくると思います。

 

 ハードルは高いと思いますが、ぜひ皆さんには行ってもらいたいものです。

 

 

2.-⑧ 学内の就職支援センター


 キャリアセンター、就職支援課・・・学校ごとに呼び方は様々あるかと思いますが、就職を支援している方々のことを総称させてください。

 ここには企業情報はもちろん、大学のOB/OGがどの企業・業界に多く就職しているのか、などの情報が多くあります。今の若い世代はあまり感じていないかと思いますが、以外にこの大学名というのは尾を引いています。意図している会社、していない会社があるにせよ、「A社はB大学が多い」「C大学はD業界によく行くな」というのがなんとなくあります。

 企業の中に各大学の〇〇会なるグループが存在する会社もあります。(学齢派閥みたいなやつです。)就活生にとっては耳が痛い話かもしれませんが、それが現実です。

 ただ自身の学校の先輩たちが多い業界、企業の方が先ほどあげたOB/OG訪問はやりやすくなります。それはプラスにとらえてもらって良いのではないでしょうか。

 OB/OG訪問の利用ツールとして、就職支援センターを活用するのが一つあります。

 

 また、就活に関する様々なサポートを各大学行っているかと思います。それこそエントリーシートの書き方練習であったり、面接の練習であったり、進路の相談であったり、そうしたサポートは整っている大学さんの方が多いかと思います。

 企業研究、という意味で何か具体的に直接知れる場所ではありませんが、就職活動全般のことで利用出来る貴重な支援機関であるので、皆さんの中でうまく活用してもらいたいと思います。

 

 

3.まとめ


 いかがでしたでしょうか。多くの手段があり悩みがつきないとは思いますが、それぞれの手法に対してそれぞれのメリットデメリットがあります。

 それらを理解した上で、自分で取捨選択をしながら、どれを活用していくかを考えてもらえればと思います。

 

 次回はエントリーシートの書き方、着眼点などを発信できればと思います。

 

 それではまたお会いしましょう!